Too Much Love Will Kill You-3

その日の帰り道は気分が良かったなぁ、まさかの出来事が起こったわけですから。なんかもうぽわ〜んとしちゃって一人でニヤニヤしながら自転車こいでたと思います。6月のいつもと同じ田舎道の同じ風景が通りすぎるのですが、なんか違って見えた記憶があります。脳の中で特別な物質が放出されていたのでしょう、本当に輝いて見えましたね。バカっぽいけど本当なんです。

ただ、ここから坂道を転がり落ちるように僕はボロボロになっていきます。

朝起きた時から寝るまで頭の中はその子のことばかり考えていたので、勉強もスポーツも何もかも手につかなくなってしまい、どんどん腑抜けな人間へとなっていきました。毎日妄想ばかりで、本人とは話しもまともにできず、廊下ですれ違っても目も合わせられないほど過剰に意識してしまう始末です。成績は最下位まで落ちクラブ活動もやめました。友達からも心配がられてましたね。こんな状態よくないと、自分でもわかっていたのですが、どうにもできなかったです。これまで誰かを好きになるということは何回かあったのですが、これほどまでにのめりこんだのは初めてでした。3年間で3回ほど遊びに行ったりもしたのですが、全部妙なデートですよ。僕は一言も話さない(話せない)んですから、女の子は面白くなかったでしょうね。当然ですが、中学卒業の時フラれました。いろいろ後悔しましたし、ずいぶん長く引きずりもしましたね。25歳くらいまで縛られました。どんだけひつこいねんって、、。12歳で出会ってから13年間が空白になっています。今でも13年間正直何をやっていたかよく覚えていないんですよね。心ここにあらずだったんでしょうね。

今はもういいおっさんになって懐かしい思い出の一つになりました。

13年間が全部台無しになったわけでもありません。一つだけよかったと思うことがあります。それは絵を描いたり曲を作ったりする時、思いを深めたり、情景をイメージする時、役に立ってます。ほんとに今思うと残念な青春だったなって、でもなかなか出来ない経験をしたと思えば、彼女にありがとうと言いたいです。


J-POP Rock 「坂道から見た夏の夕雲」The summer setting sun which does not return